
私は何を描きたいのか、表現したい自分の気持ちが何なのかいつもわかりません。
準備した銅板を目の前にして、見えてきたモノをそこに記していきます。
たったひとつあった銅板の傷跡や染みがきっかけになることもあります。
そのきっかけから少しずつ見えてきたモノを加えて徐々に完成へと近づいていきます。
そして、完成した絵をじっとみつめていると、ふと言葉が浮かびます。
その言葉がタイトルとなります。
その時初めて自分が何を感じていたのか、どんな思いを自分の中に閉じこめていたのかに気づかされます。
「なるほど、そういうことだったのか。。。」と。
銅版画を制作することで、私自身のことを知ることになります。
絵が完成した時、私の中でくすぶっていたものが表に出て浄化されるのかもしれません。
今回、ベルギーからやってきたミュージシャン、TeunとJozefの即興演奏を聴く機会があり、
表現手段は違いますが、彼らの今、奏でる音が、今の瞬間、感じたままの表現で、
もしかしたら、演奏が終わった時に感じるものが、
私の絵が完成した時の気持ちと似たものがあるのではないかな。と。
そんなことを感じました。
Teun、Jpzef、マネージャーのStef、とてもやさしく魅力的な人たちでした。